コラム
小笠原の子どもたちと水族館をつなぐアオウミガメの赤ちゃん「星」と「空」
- 活動報告

今回は、2026年9月にすみだ水族館へ新しくやってきた2頭のアオウミガメの赤ちゃんに、「星(ほし)」と「空(そら)」という名前が付くまでのお話を紹介します。
小笠原から水族館へ
すみだ水族館は、2016年より認定NPO法人エバーラスティング・ネイチャーが行う「ウミガメジョイントブリーディングプログラム」に参加しています。
このプログラムは、アオウミガメの数を増やし、その生態を明らかにすることを目的とした活動で、すみだ水族館も、小笠原諸島で生まれたアオウミガメの赤ちゃん2頭をお預かりし、外敵に襲われにくい大きさになるまで水族館で1年間大切に育ててから、再び故郷の海へと還しています。
毎年すみだ水族館へとやってくるアオウミガメの赤ちゃんは、わずか2頭。その年に島で生まれたたくさんの赤ちゃんの中から水族館へとやってくる確率は、私たちが想像する以上に貴重で、どこか運命的な縁を感じさせます。
小笠原村の子どもたち
水族館から南へ約1,000キロメートル離れた小笠原諸島は、アオウミガメの一大繁殖地であり、長く保全活動を行ってきた歴史を持っています。
島民にとってウミガメは、身近な自然の一部であり、共に暮らす「隣人」のような存在です。
村の子どもたちは、幼い頃から、ウミガメの生態や小笠原の豊かな自然環境について学んでいきます。
すみだ水族館も、毎年小笠原小学校と連携し、小学5年生のウミガメ学習の中で授業を行っています。
この授業の中で子どもたちと取り組んでいることの一つが、すみだ水族館へ向かう2頭の赤ちゃんの名前付けです。
「都心の小笠原」を目指すすみだ水族館の「小笠原エリア」には、日々さまざまなお客さまが訪れます。
小笠原村が同じ東京都にあることを初めて知る方もいれば、旅行などで実際に小笠原に行ったことがある方もいます。
また最近はありがたいことに、遠く離れた小笠原の島民の方が来てくださることも増えました。
そこで子どもたちには、小笠原村の観光大使になったつもりで、「伝えたい小笠原の魅力」をテーマに名前を考えてもらっています。
「星」と「空」
今年のアオウミガメの赤ちゃん2頭の名前は、5年生16名と話し合って「星」と「空」に決めました。
小笠原の星空は、全国でも高く評価されたことがあるほど美しく、また日中の空も、とても綺麗な青色をしています。
「小笠原でしか見ることのできない景色の美しさを伝えたい」という子どもたちの想いに共感し、この名前に決まりました。
私たちが授業を通して交流できるのはわずかな時間ですが、彼らがいつか大人になり、小笠原を離れる日がきたとしても、こんなにも素敵な故郷に生まれ育ったことを心から誇りに思ってほしい――私たちはそう願っています。
初渡航のスタッフコラム
私はすみだ水族館のショップやカフェの商品開発を担当しています。
今回、初めて小笠原に渡航しました。
熱帯低気圧の影響もあり海は荒れていましたが、竹芝桟橋から出航したおがさわら丸は、父島を目指して力強く進んでいきました。
片道24時間の船旅は、船酔いしやすい私には少し過酷な旅となりましたが、父島・二見港に到着すると、島の方々の温かい歓迎と晴れやかな小笠原の空気に包まれ一瞬で明るい気持ちになりました。
アオウミガメの赤ちゃん「朝日」と「夕日」を製氷海岸から海に還す際も、波が立っていましたが、海に向かって砂浜を一直線に進む2頭の姿はたくましく、生まれ故郷である小笠原の海でさらに大きく成長していってほしいと強く感じました。
今回、新しくお預かりしたアオウミガメの赤ちゃんの「星」と「空」は、小笠原村立小笠原小学校5年生の皆さんに「伝えたい小笠原の魅力」をテーマに名付けていただきました。
滞在期間中に、実際に父島で星空を観ることができ、都心では見ることのできない無数の星が広がる光景に圧倒されました。
すみだ水族館では、毎年6月に実施しているイベント「すみだボニンアイランド」に合わせて、小笠原の名産品の販売や飲食メニューの提供を行っています。
今回の渡航では、ショップやカフェでもさらなる連携強化を目指し、小笠原村産業観光課や小笠原農協の方々とお会いしました。
実際に、小笠原の特産品である島レモンやパッションフルーツを栽培する農園にも訪問させていただきました。
今後も、すみだ水族館でより小笠原を感じていただけるように取り組んでまいりますので、楽しみにしてください。









