コラム

2020.12.09

墨田区の「かいぼり」に参加しました!

  • 墨田区

すみだ水族館から徒歩5分ほどの場所に、墨田区立大横川親水公園があります。大横川親水公園は、水辺を中心に遊歩道が整備されており、地域の方の憩いの場としても、自然生物の生息地としても大切な場所となっています。公園内には、1990年に人の手によって作られた人工池「万華池」があり、墨田区主催のもと約6年ぶりに「かいぼり」が実施されることになりました。区の環境サポーターのみなさんや職員のみなさまと一緒に、すみだ水族館のスタッフも参加しました。

地域の環境保全活動への参加

すみだ水族館のある東京スカイツリーから歩いて5分ほどの場所に、墨田区立大横川親水公園があります。大横川親水公園は、水辺を中心に遊歩道が整備されており、地域の方の憩いの場としても、自然生物の生息地としても大切な場所となっています。‌

公園内には、1990年に人の手によって作られた人工池「万華池」があります。万華池が、よりたくさんの種類のいきものが暮らす“にぎわい”のある池辺になること、また池の環境保全との重要性を発信することを目的として、万華池の「かいぼり」が実施されることになりました。

今回、墨田区主催のもと、約6年ぶりに行われた「かいぼり」に区の環境サポーターのみなさんや職員のみなさまと一緒に、すみだ水族館のスタッフも参加しました。‌

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 「かいぼり」とは

もともと「かいぼり」は、ため池を良い状態で保ち続けるために行われる管理作業のひとつです。生息しているいきものを捕獲し、池の水を抜き、池底のヘドロをなくし、天日干しすることで、微生物による分解が促進され水質の改善につながるとされています。また近年では、池の生態系に大きな影響を及ぼすいきものの駆除によって、生態系の調和の回復のために実施されることが多くなってきています。‌

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「かいぼり」のようす

2020年11月5日(金)から7日(土)までの3日間は、池の水を抜く前に、池の中に生息していたいきものたちを保護する活動に参加しました。いきものと日々向き合っている飼育スタッフ。普段とは違う外での活動で少し緊張が見られる反面、自然とふれあう姿はいきいきとしていました。万華池に到着すると、万華池と大横川の水を採水して、水質を調べました。いきものの暮らす環境を知るために大切な作業です。ゴハンとなる生物がいるのか、池の周辺にはカルガモやコサギなどの野鳥が見られました。‌

いよいよ池の中へ入って、いきものたちを保護していきます。ギンブナ、モツゴ、ツチフキなど18種類が見つかりました。捕獲したいきものの判定には、すみだ水族館のスタッフが協力しました。参加者からの「これ、なんのいきものですか?」といった質問にお答えしながら、いきものたちの大きさを計測し、匹数を記録していきました。‌

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いきものの保護が終わったら、いよいよ水を抜いていきます。ヘドロを吸い込み、まさに池を丸洗い。水を抜き終わったら、池を干します。約1か月かけて干した後は、池に水を戻し、これで水辺の環境が整います。保護した生物は12月上旬に万華池に放流されました

水族館と地域の人々との関わり

今回、墨田区環境保全課のみなさまのお声掛けによって、こういった地域の活動に参加することができました。すみだ水族館は、より地域に密着した存在になれるように、水族館を飛び出して、地域の小学校との交流や、今後の万華池の保全活動に積極的に参加していきたいと考えています。さらに、いきものへの知見の活用や環境保全にとどまらず、地元東京に根付いてきたいきものの魅力を伝えていくことで、地域の方といきものたちがもっと近づけるような架け橋になれればと思っています。‌

今回のかいぼりで保護したいきものの一部は、すみだ水族館内で展示中です。案外身近なところに暮らしているいきものにも会いに来てくださいね。

すみだ水族館が目指す“水族館のある暮らし”の実現のために、わたしたちと地域の自然環境で暮らすいきもの、お互いの共存も大切にしたい。水族館が暮らしの一部となり、地域のみなさんにとって公園のような場所になれるように、みなさんと一緒に歩んでいきたいと思います。

ギンブナ‌


ツチフキ‌
ツチフキ

モツゴ‌

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