コラム

2018.11.12

知っているだけで100倍かわいい!チンアナゴの豆知識

  • チンアナゴ

毎日たくさんの人々に囲まれているすみだ水族館のチンアナゴ水槽。ぼーっと眺めているだけでも癒されるのですが…せっかくならチンアナゴ水槽の観察を100%楽しんでもらいたい!そこで、水族館スタッフが、観察に役立つチンアナゴ豆知識をご紹介します。

すみだ水族館のチンアナゴ水槽


6階「サンゴ礁」ゾーンにあるチンアナゴ水槽。‌
たくさんのチンアナゴたちが巣穴から顔を出していますが、よく見ると3種類、模様や顔つきが違う3種類のなかまがいるんです。‌

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チンアナゴ水槽‌

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チンアナゴのなかまたち


まずこちらがおなじみチンアナゴ。狆(チン)という犬に似ているので、チンアナゴという名前がつけられました。(名前の由来も近頃有名になってきましたね。)‌
体の長さは30cmほど。丸みのあるかわいい顔つきです。‌

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チンアナゴ‌

こちらはニシキアナゴ。よくチンアナゴとセットでイラストなどに描かれますが、ニシキアナゴという別種なんです!名前の由来は織物の「錦」のように華やかな色♪‌
体の長さは40cmほど。顔つきはと言うと…実はチンアナゴよりもずっと面長な顔をしています!‌

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ニシキアナゴ‌

こちらはホワイトスポッテッドガーデンイール。日本語の名前がついていないので、英語の名前をそのまま呼んでいます。名前の通り、茶色っぽい体に白い点々模様があります。長い名前のホワイトスポッテッドガーデンイールですが、体の長さも3種の中で最長で、70cmほどもあります。顔つきは、ニシキアナゴと同じ面長タイプ。‌

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ホワイトスポッテッドガーデンイール‌

また、少しマニアックな話ですが、チンアナゴは「チンアナゴ属」、ニシキアナゴとホワイトスポッテッドガーデンイールは「シンジュアナゴ属」と、「属」のレベルで分類が別れています。‌
「チンアナゴ!」とまとめて呼ばれることが多い彼らですが、3種の特徴を知っていれば、より深い観察ができること間違いなしです♪‌
顔つきだけではなく、ケンカのしかたなど行動にも違いが見られるので、ぜひ見比べて違いを探してみてくださいね。‌

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ぜひ3種のなかま見比べてみてください‌

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同居中のなかまたち


チンアナゴの水槽にはこのほかにも一緒に暮らしているなかまたちがいますので、簡単にご紹介します。‌
チンアナゴたちが上を向いている魚であるのに対し、顔を下にして泳いでいるのがヘコアユです。数匹で集まって、ふわふわと水槽の中を行ったり来たりしています。‌

0301ヘコアユはチンアナゴの頭上を行ったり来たり‌

水槽内で自由に歩き回る巻貝の仲間はマガキガイ。砂に生えた藻類を食べてくれる、お掃除屋さんです。近くで見ると目が合うかも…!‌

0301飛び出た目と象の鼻のような口が特徴のマガキガイ‌

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チンアナゴたちの不思議な行動


さまざまな表情や姿を見られるのもチンアナゴの魅力です♪‌
0301チンアナゴたちはとっても表情豊か♪‌

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周りをよく見ている!


大きな目を持つチンアナゴたちは、キョロキョロとよーく周りを見ています。いったい何を見ているのか…その視線の先を追ってみましょう!‌
野生のチンアナゴの仲間は、海底に巣穴を掘って体を隠しながら生活しています。餌は、水流にのって流れてくるプランクトン。捕食戦法は「待ち」ひとすじ。そのため、よく周りを見ていて餌が流れてきたら体を伸ばしてすかさずキャッチします。‌
すみだ水族館で観察していると、「流れてくるものはとりあえず食べてみる」と決めているのか、小さな気泡や、違う子が出したうんちも口に入れてしまう子がいます。うんちを食べた場合は、すぐに「違った!」と吐き出しています。‌

0301キョロキョロと周りを見渡しています‌

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ケンカは日常茶飯事!?


チンアナゴ水槽では頻繁にケンカがおこります。ケンカ中のチンアナゴは、低姿勢になっているので、広い水槽の中でもすぐに見つけられます。‌
威嚇をしているときは普段のボーっとした表情が一転、口を大きく開けて、ものすごく怒った顔になるんです。すみだ水族館では2匹だけでなく3匹、4匹でケンカをすることも。‌

0301ケンカしているときは怒った表情に‌

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泳げチンアナゴ!これが全身です♪


すみだ水族館では、珍しいチンアナゴの全身も見ることができます。泳いでいるチンアナゴを発見したらぜひ、巣穴を掘るところまで追いかけてみてください。砂を掘るのに便利な先のとがった尾ひれで、すいすい~と巣穴を掘っていきます。‌

0301チンアナゴの全身‌

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11月11日は「チンアナゴの日」!


知っていましたか?‌
11月11日は、チンアナゴが数字の「1」に似ていることからすみだ水族館が2013年に申請し、認定された記念日「チンアナゴの日」なんです。すみだ水族館では毎年、チンアナゴをテーマとしたイベントを開催しています!‌
11月11日「チンアナゴの日」は、すみだ水族館に集まってチンアナゴのように群れて盛り上がりましょう!‌



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チンアナゴは群れている!


野生でも群れで生活するチンアナゴたちですが、周りの個体や自分自身をどんなふうに認識しているのでしょう?彼らの“チンアナゴ関係”が垣間見える瞬間をご紹介します。‌

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みんなで同じ向き


水槽の中にはゆる~く水流があり、幅5.5mの水槽の両側から真ん中に向かっています。チンアナゴは習性で、水が流れてくる方向に体を向け、水流に乗ってくるゴハンを食べています。そのため、みんなで同じ方向に顔を向けているんです。‌

0301みんなで同じ方向を向いています‌

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ゆるっと住み分け


3種のチンアナゴのなかまですが、ちゃんと、自分自身がどの種なのか分かっているよう。というのも、すみだ水族館の水槽の中ではなんとなくそれぞれのエリアがわかれているから。今はペンギンプール側にチンアナゴ集団、反対側にホワイトスポッテッドガーデンイール集団、真ん中にニシキアナゴ集団がいます。‌

0301群れるニシキアナゴ‌

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絡まっているのはなんのため?


一見愛し合っている?かのように絡みあったチンアナゴたち…このような姿が見られるのはゴハンを食べているとき。すみだ水族館の水槽では、ゴハンを追って動き回っているうちにいつの間にかお隣さんと絡まっているようです。スキンシップで愛を確かめている…というわけではないのですね。‌

0301ゴハンの時間によく絡まっています‌

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世界初の産卵動画も見ておこう!


愛といえば、チンアナゴたちの繁殖はどのように行われているのでしょう?すみだ水族館では、産卵行動の瞬間の撮影になんと世界で初めて成功しました。以下のリンクからぜひ、神秘的な産卵シーンをご覧ください!‌

https://www.youtube.com/watch?v=w4D7NaGqwtw
(リンク先:チンアナゴ・ニシキアナゴの産卵行動 すみだ水族館【公式】)‌
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アップで観察してみよう♪


群れの観察がのあとは、対象を絞ってより近くでチンアナゴを見てみましょう。チンアナゴの生態が見えてきて、これまでなんとなく思い描いていたチンアナゴの姿が覆るかも!?‌

0301アップで見てみよう‌

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えらやひれがある!!


チンアナゴはれっきとした「魚」。呼吸をする「えら」や、透明の背びれも見えにくいですがあります!そして胸びれも…限りなく小さいですが、あります!‌

0301よく見ると小さな胸びれが‌

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模様はランダム?


チンアナゴの模様は、黒の点々ですが、大きな黒の点は決まった位置にしかありません。その数は、5ヶ所。身体の側面に左右2ヶ所と、おなか側に1ヶ所です。‌
チンアナゴのイラストを描く機会があれば、ひれや模様も忠実に描くとよりリアルになりますよ♪‌
ちなみに、このおなか側の黒い点の中には肛門があり、ずっと見ていればうんちが出てくる瞬間も見られます。‌

0301おなかの黒い点からうんちが出てきます‌

個性もある!


基本の模様パターンは決まっていますが、それぞれの個性もあります。チンアナゴは、色黒の子もいれば美白?の子もいたり、ニシキアナゴはオレンジと白の比率が個体ごとに絶妙に違ったりします。‌

0301
ニシキアナゴにもこんなに個性が!‌

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チンアナゴたちに会いに行こう!


以上、ゆるいながらも意外と奥が深いチンアナゴの生態をご紹介してきました。‌
これで水槽を満喫する準備はバッチリ!まだまだ謎も多い彼らですので、ぜひ自分なりの観察ポイントを発見してみてください。‌

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