コラム

2025.11.25

【全3回】小笠原村との連携取組みレポート2025

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みなさんはすみだ水族館と小笠原諸島のつながりをご存じですか?すみだ水族館は2012年の開業時より小笠原村と連携し、いきものとそれを取り巻く環境や世界自然遺産と共存していく地域の産業や観光、環境課題を発信する活動を続けています。このコラムは全3回にわたって、今年度の取組みを紹介します。第1回となる今回は、イベント「すみだボニンアイランド2025」と「海浜清掃活動」についてお伝えします。

■「すみだ水族館」と「小笠原諸島」
なぜすみだ水族館が小笠原村と連携しているのか?と聞かれたら、「同じ東京都にある唯一の世界自然遺産である小笠原諸島を、身近な水族館という場所で知り体感いただくため」とお話するのですが、実はもっとわかりやすい理由があります。‌

それは「小笠原諸島が美しいから」です。‌

ボニンブルーと呼ばれる、透き通るような青い海。そこで暮らす色とりどりのいきものたち。海から上る神々しい朝日と海へと沈む燃えるような夕日。そして抜けるような青空を背景に揺れる青々とした山の新緑。‌

小笠原諸島を訪れたことがある方はきっと共感いただけると思いますが、小笠原諸島の自然は言葉では表現しきれない美しさがあります。‌

自分が感動したものは人に伝えたくなりますよね。私たちもその気持ちでこの活動を行っています。‌


「小笠原諸島の風景」


「ボニンブルーと呼ばれる小笠原諸島の海」


「小笠原諸島の傘山から見る日の出」

すみだ水族館では、美しい海中の景観を再現した『小笠原大水槽』と自然やいきもの、産業などを発信する拠点『オガサワラベース』からなる小笠原エリアを構え、都会の「いつでも行ける小笠原」として総合的な発信を継続しています。‌


『小笠原大水槽』

『オガサワラベース』

■イベント「すみだボニンアイランド」(6月)‌
小笠原諸島の魅力をさらに伝えるためのイベント「すみだボニンアイランド」を開催しました。‌


すみだボニンアイランド2025のキービジュアル

昨年6月に初開催した本イベントですが、今年は生息域外保全の一環としてすみだ水族館で飼育・繁殖を行っている小笠原固有種「オトメカタマイマイ」と「コガネカタマイマイ」の展示と専門家による講演会を実施しました。‌


オトメカタマイマイ


コガネカタマイマイ

また、すみだ水族館の飼育スタッフが監修し、小笠原村が発行した絵本『めぐろ、めぐろ!メグローとボニン』の発売記念イベントも行いました。‌

クイズラリーや絵本の読み聞かせを通じて、「小笠原に行ってみたいと思った」といった嬉しい声も寄せられました。‌


小笠原村発行の絵本『めぐろ、めぐろ!メグローとボニン』


スタンプラリーの様子

小笠原諸島に関わるたくさんの方々のお話を聞かせていただくたび、新たな小笠原の魅力に気づかされます。‌

来年6月の開催もぜひ楽しみにしていてください。‌

■3年目となる海浜清掃活動(6月)‌
すみだ水族館は、情報の発信だけでなく小笠原諸島の自然を守る保全活動も行っています。その1つが海浜清掃活動です。‌

小笠原諸島は国内最大のアオウミガメの繁殖地ですが、砂浜のゴミや障害物によってうまく繁殖できない場合があります。今回は2年ぶりに初寝浦という場所で清掃活動を行いました。‌

以前に綺麗にしたはずの砂浜に新たなゴミが漂着したり、前回取り切れなかったゴミが後から漂着したゴミと絡まって肥大化している現実を目の当たりにしました。‌

遠目からは美しい世界自然遺産の島であっても、目を凝らすと海洋ゴミ問題がここにも存在していると気づかされます。‌

海洋ゴミには国境も地域もありません。山で使ったビニールも川から海へ流れますし、日本のゴミもそうでないゴミもたくさんあります。‌

砂浜を利用するのは、私たち人間だけではありません。‌

いきものにとっても人間にとっても暮らしやすい環境を作るため、すみだ水族館はこれからも発信と保全活動を続けてまいります。‌


「海浜清掃の様子」

次回の「小笠原村との連携取組みレポート2025」では、9月にすみだ水族館にやってきたアオウミガメの赤ちゃんたちについてご紹介します。

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